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書評 力学/解析力学

力学/解析力学の書評をのせておきます。

  • 力学

学生時代に読んでいた力学の参考書で、少し懐かしい感があります。昔から力学を学ぶにはまずこれを読む、と周りから言われてました。

見た目はやや分厚いですが、それは説明が丁寧だからなのと、力学と解析力学両方の内容を含んでいるためで、そういった意味ではよくまとまっているかと思います。

大学の力学を学ぶにはまずこの本を読むのがいいかと思います。

最近「力学 I(新装版)-質点・剛体の力学- 」と「力学II(新装版) 解析力学」に分冊化されたようです。


  • 解析力学 (朝倉物理学大系)

言わずと知れた解析力学の名著です。解析力学を多様体上で展開するもので、数学的に洗練された解析力学です。本書で必要な多様体論や微分幾何の知識はしっかり解説されているので、自己完結的に読むことができます。

本書のまえがきにも記載されてますが、数学者の書いた数学的に厳密な解析力学の本は、数学者独特の視点/観点で書かれているので、物理屋の視点/観点とずれることがしばしばあるようで、そのため物理屋が数学的に洗練された解析力学の本を書いたようです。

多様体論や微分幾何学をバンバン使っているものの、物理的直感の解説や例がたくさん記載されており、あくまで物理学の本です。

とはいえ高難易度であることは変わりないので、初学者がいきなりこの本で学ぶことはしない方がいいです。上記の力学(原島)等の標準的な解析力学を一通り学んでから挑戦するのがよいかと思います。

多様体論や微分幾何学を知ってる人が解析力学を深く学ぶ際はいきなり本書籍に挑んでもよいのかもしれません。

本当に素晴らしい本ですが、1巻2巻どちらも6000円オーバーなので、どちらも購入するにはラーメン12回分以上は我慢しないといけないのがつらいところです。

ちなみに著者の一人の山本義隆さんは大学教授とかではなく、予備校教師(駿台の物理講師)です。
その特異な経歴から物理界隈では有名な方です。


  • 数理物理学方法序説 解析力学

数理物理学方法序説シリーズの解析力学です。

見た目はそこまで難易度高そうに見えないですが、多様体や微分幾何学を用いて、解析力学を展開する書籍です。解析力学は数学的に厳密に論理展開でき、かつ物理学的直感も損なわない唯一の物理学分野であるという著者の考えからきており、バンバン幾何学を用いてます。

著者が学部時代天文学科に所属していたこともあって、随所に天体力学の話が出てきて、そのあたりの話もユニークで興味深いです。

解析力学(山本,中村)の前に、幾何学的な解析力学の雰囲気を味わうのにも適しているかと思います。

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