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サラリーマンが確率論を勝手に解説する無謀な記事2

前回確率空間と確率変数の話をしました。今回はちょっと例をあげみます。

1)さいころをふる試行

簡単な例でさいころを一回ふることを考えます。このとき標本空間は
\[
\Omega =\{\omega_1,\omega_2,\omega_3,\omega_4,\omega_5,\omega_6\}
\]
となります。\(\Omega\)が有限集合であれば、事象全体\(\mathcal{F}\)は
\[
\mathcal{F}=2^{\Omega}
\]
とおくことができます。さすがに\(2^{\Omega}\)の元すべてを書くのはしんどいので書きませんが、
\[
\mathcal{F}=\{ \phi,\{\omega_1\},\{\omega_2\},…,\{\omega_1,\omega_2\},…,\{\omega_1,\omega_3,\omega_5\},…, \Omega\}
\]
といった感じで、\(2^6=64\)個の元が存在します。
このとき確率測度\(\ P:\mathcal{F}\ni A \rightarrow P(A)\in [0,1]\)は例えば、
\[
p(\phi )=0 \\
P(\{\omega_1\}) =P(\{\omega_2\}) = \frac{1}{6} \\
P(\{\omega_1 , \omega_2\})=\frac{1}{3} \\
P(\{ \omega_1,\omega_3,\omega_5 \} )=\frac{1}{2}\\
\vdots \\
P(\Omega )=1
\]
といった感じで、\(\Omega\)の組み合わせ全てに確率が振られる必要があるので、事象全体は\(2^{\Omega}\)になる感じです。

このとき、我々は標本空間の元\(\ \omega_i,i=1,..,6\)を直接見ることはできず、確率変数を通して観測することができる感じとなります。確率変数\(\ X:\Omega\ni \omega \rightarrow X(\omega) \in \{1,2,3,4,5,6\}\)がさいころをふったときの目の数を表すとすると
\[
X(\omega_1)=1,X(\omega_2)=2,….,X(\omega_6)=6
\]
とすることができます。ここで、注意なのが、\(\Omega\)は我々が直接知り得る集合ではないので、便宜上\(\ \omega_i\)で表してるのであって、極端な話
\[
\Omega = \left\{ \bullet ,\bigcirc , \$ ,\bigodot,\ast, \angle \right\}
\]
\[
X(\bullet)=1,X(\bigcirc)=2,…,X(\angle)=6
\]
であってもよいわけです。

このとき、例えばさいころの目が\(6\)になる場合の確率は
\[
P( \{\omega \in \Omega \mid X(\omega)=6 \})=\frac{1}{6}
\]
となりますが、これが確率分布を表すことになり、
\[
P_X(6)
\]
と略記することが多いです。

2)非可算無限集合から任意の部分集合を選ぶ試行

この例は少し複雑です。前回の投稿でも少し紹介した通り、\( (0,1) \)は非可算無限集合であるため厄介ですが、みていきたいと思います。

まず標本空間は、\(\Omega=(0,1)\)となります。これは問題ないかと思います。

次に事象全体の集合として、ボレル集合族\(B(\Omega )\)にとります。つまり任意の開区間を含む最小の\(\sigma\)加法族となります。

次に、可測空間\( (\Omega,B(\Omega) ) \)上の確率測度\(P\)を決める形になります。今回標本空間が連続濃度であるため、例えば
\[
P(\{\omega \mid \omega = 0.3\})=0
\]
となります。というか、そうしないと\(P(\Omega)\)が無限大に発散してしまいます。
そのため、\(\omega=0.3\)といったような\(\ \Omega\)上で点となる元はいずれも厳密に確率はゼロである必要がある感じです。

じゃあ、確率がゼロとならない事象は何かというと、\((0.2,0.3)\)といったような区間となるようなものが相当します。いわゆる点ではなく幅を持たせるイメージですね。

測度論の解説でも少し言及してますが、点をいくら集めても線にはなり得ないですが、微小な線を集めれば線になる感覚です。

以上から
\[
P(\{ (0.2,0.3) \} ) =\frac{1}{10} \\
P(\{ \omega_0 \} ) = 0,\ \omega_0: 点となる集合\\
P(\Omega ) =1
\]
といった感じになります。

なんとなくイメージついたでしょうか。

標本空間が非可算無限の場合も扱えるように測度論を用いるのが、現代確率論のキモとなり、難しいところとなります。
測度論については本ブログでも解説してますので、気が向いたら参考にしてください。

本日はここまでにします。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
質問等はコメント欄かお問い合わせにてよろしくおねがいいたします。

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