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書評 物性論

  • 固体物理学

物性論といえば、まずはキッテル本かこの書籍かというくらい優れた書籍です。理論と実験両方をバランスよく解説しており、私が学生時代によく読んだ書籍です。特にバンド理論はこの本で学びました。直訳感がなく自然な日本語で読みやすいです。
目次としては
第1章 固体における化学結合
第2章 固体の構造
第3章 周期構造からの回折
第4章 結晶中の原子の動力学
第5章 熱的性質
第6章 固体中の「自由」電子
第7章 固体の電子バンド構造
第8章 磁性
第9章 電子の運動と輸送現象
第10章 超伝導
第11章 物質の誘電的性質
第12章 半導体
といった感じで物性論の基本事項はほぼ抑えています。(目次の詳細はこちらを参照ください)
物性論の初学者にはうってつけです。
※あくまで物性論の初学者ですので、その前提知識となる量子力学や統計力学は既知である必要がありますが。

順調に版を重ねており、2022年7月に4版「固体物理学 原書4版 物質科学の基礎」が出たようです。


  • トポロジカル絶縁体入門

21世紀に入ってから発見されたトポロジカル絶縁体について、解説した書籍です。トポロジカル絶縁体はバルク(内部)は絶縁体であるが、表面は伝導体になるという物質で、この挙動を説明するために電子の波動関数の位相幾何学的手法(トポロジー)が使われるため、上記のような名前になってます。近年、表面上を流れる電子がマヨラナフェルミオンのような挙動をすることが示唆され、新しいタイプの量子コンピュータ(トポロジカル量子計算)に応用される可能性を秘めており、活発に研究されている分野です。
(マヨラナフェルミオンを観測した的な論文が出たようですが、最近は懐疑的になっているようです。いずれにせよ最先端の分野であることに間違いないかと思います。)

理論屋のためのゴリゴリの理論ではなく、新物質を発見していく実験屋が最低限知っておくべき理論を解説したイメージで、専門外でも比較的読みやすいです。
目次としては以下となります。(詳細はこちらを参照してください。)

第1章 トポロジカル絶縁体とは
第2章 量子力学のおさらい
第3章 固体物理学のおさらい
第4章 フェルミ面の観測法
第5章 トポロジカル絶縁体の基礎理論
第6章 トポロジカル絶縁体物質
第7章 トポロジカル絶縁体の物性
第8章 トポロジカル超伝導体
第9章 応用への展望

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