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書評 相対論

  • 一般相対性論入門

本書籍は物理学科の学部生、大学院物理学専攻の相対論を専門としない院生向けに実施した講義が元ネタになっており、一般相対性理論を専門としない「物理屋」のために書かれた書籍です。あくまで「一般」相対性理論の入門書なので、特殊相対論までは既知であることが望ましく、全くの初心者が読みこなすのは難しいかと思います。

中身としては、
1章 特殊相対論の振り返り
2章 一般相対論で使う数学のまとめ
3章 測地線
4章 アインシュタイン方程式
5章 シュワルツシルド解の導出と考察
6章 相対論的宇宙論
といった感じで、むやみに高度すぎるトピックは避け基本的事柄に絞ることで、非専門家に一般相対論の考え方やこころを説明している感じです。

相対論に限らずどの分野でも共通しているのは、一般的に
1)専門家の専門家による専門家のために書かれた書籍
2)一般向けに書かれた数式を使わない啓蒙書
の2種類は多く出版されていますが、その中間となる1)と2)の橋渡しとなる書籍がひどく少ないのですが、本書籍は橋渡しの書籍に該当する、希少価値の高い良書かと思います。

私が読んだのは旧版の方です。上記リンクは新版の方で、重力波やブラックホールシャドウといった最近観測された話題が追加されているようです。

  • 一般相対性理論(ちくま学芸文庫)

Diracの著書といえば、量子力学が超有名ですが、一般相対論についてもいい感じの書籍を残しています。Diracの地頭の良さが滲み出てるというか、コンパクトにまとまっています。その分説明が端折られている感があるので、人を選ぶ本かなという気がします。やはり特殊相対論はマスターしてないと通読は厳しい気がします。

とはいえ、文庫本のため専門書としては規格外の安さで、1000円下回るのはかなり嬉しいです。(笑)

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